自治体の災害対策が必要な理由
自治体の災害対策が必要な理由は、地震や台風、洪水、土砂崩れなど多様な災害リスクから、地域社会と住民の命・財産を守るためです。自治体には、被害の最小化だけでなく、迅速な復旧・復興を可能にする体制づくりや、正確な情報発信によって住民の安全を確保する役割が求められます。
以下では、自治体の災害対策がなぜ必要とされるのか具体的に見ていきましょう。
住民の生命と生活を守るため
災害時において自治体が最も重視すべきは、住民の生命と生活の安全確保です。予測が難しい災害に備え、迅速な初動対応と的確な情報発信が欠かせません。基本となるのは次の5点です。
- 迅速かつ正確な情報収集と発信
- 避難所の適切な運営と避難指示の明確化
- 災害対策本部の効果的な運営
- 住民への防災教育と啓発活動
- 初動対応の強化
また、医療・福祉施設との連携や多様な情報伝達手段の確保、個別避難計画の策定を平時から進めておくことで、災害時の初動対応を迅速化できます。
参照
配慮が必要な住民を取り残さないため
災害時には、高齢者や障がいのある方、乳幼児や妊産婦、日本語を母語としない住民など、避難や情報の入手に配慮を必要とする人ほど被害を受けやすくなります。避難所の運営でも、女性や多様な立場の人の視点が欠けていると、必要な物資が届かなかったり、プライバシーや安全への配慮が不十分になったりする問題が起こりがちです。
避難所運営の責任者に女性を配置する、運営ルールの検討段階から多様な立場の住民に参加してもらうなど、平時からの体制づくりが求められます。
地域の経済活動を継続するため
インフラの被害や企業の操業停止、物流の混乱は、地域経済に深刻なダメージを与えます。だからこそ、インフラの早期復旧と公共サービスの再開に加え、中小事業者へのBCP策定支援や経営相談が欠かせません。
さらに、商工会議所や金融機関と連携して情報を共有することで、住民の生活再建と地域社会の安定につながります。
自治体の災害対策における基本要素
自治体の災害対策は、複数の要素が連携してはじめて機能するものです。情報収集体制が迅速に機能すれば避難指示の判断も的確になり、業務継続計画が整備されていれば復旧活動も滞りなく進みます。
以下では、主要な要素を整理します。
情報収集・発信体制の構築
災害発生時には、気象・地震・火山などの多様なデータをリアルタイムで収集し、住民へ正確かつ迅速に伝えることが求められます。
| 要素 | 具体的内容 |
|---|---|
| 情報収集 | 気象庁や防災機関からの情報取得、センサー・観測機器による地域独自のデータ収集 |
| 情報発信チャネル | 防災行政無線、メール配信、SNS、公式Webサイト、スマートフォンアプリ |
| 迅速な情報伝達 | 発災直後の発信体制の確立、重要情報を簡潔に伝えて誤解を防ぐ工夫 |
| ICT・デジタル活用 | ハザードマップの更新、災害ダッシュボードの運用 |
| 情報連携体制 | 警察、消防、気象機関、地域住民団体との情報共有 |
防災行政無線やSNSは情報を「知らせる」ことに適しており、避難所の一覧や開設状況、給水地点、手続き案内といった一定量の情報を「参照させる」役割は公式サイトが担います。
避難所と避難指示の運用
避難所の設置にあたっては、地震や洪水、土砂災害の被害を避けられる立地の選定に加え、避難生活を支える設備の整備、備蓄品の管理、感染症対策などの準備が欠かせません。
避難情報は警戒レベルに対応した形で発令されます。かつての避難勧告と避難指示は住民に違いが十分理解されず逃げ遅れにつながっていたことから、法改正により避難指示へ一本化されました。
参照
- 内閣府防災情報「避難情報に関するガイドラインの改定」
| 警戒レベル | 避難情報等 | 住民に求められる行動 |
|---|---|---|
| レベル3 | 高齢者等避難 | 高齢者等は避難を開始。その他の住民は避難の準備を整える |
| レベル4 | 避難指示 | 危険な場所から全員避難する |
| レベル5 | 緊急安全確保 | すでに安全な避難が困難な状況。命を守るための最善の行動をとる |
避難勧告という名称はすでに使われていないため、庁内資料や住民向け配布物に旧名称が残っていないか点検が必要です。避難所運営では、トイレや飲料水などの設備整備に加え、警察・消防・医療機関・福祉施設との連携が円滑な運営を支えます。
業務継続計画(BCP)の整備
BCPは、災害時でも中核となる行政業務を止めず、またはできるだけ早く再開するための計画です。下表に、災害時におけるBCPの一例をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リスクアセスメント | 地域の災害リスクを分析し、影響を与えうる災害の種類と規模を特定 |
| 重要業務の特定 | 災害時にも継続すべき業務を洗い出し、優先順位を決定 |
| 代替手段の準備 | 業務停止時の代替となる実施方法・場所・連絡体制を整備 |
| 資源の確保 | 人員、設備、情報システム、備蓄物資を事前に準備 |
| 訓練と見直し | 定期的な訓練で実効性を検証し、最新の状況に応じて更新 |
情報発信はBCPにおいて優先度の高い業務の一つです。庁舎や職員が被災した状況でも避難情報の発信を継続できるかという観点から、後述するWebサイト運用体制も含めて計画に織り込む必要があります。
災害対策本部の設置
災害対策本部は、災害発生時の指揮統制を担う中枢です。首長を本部長とし、防災担当部署の責任者や関係各課の代表者が参画します。主な役割は、情報の収集・分析、指揮統制、関係機関との連携、避難指示の発令判断、資源の管理・配分です。
運営上の課題としては、情報過多による意思決定の遅れ、関係機関間の役割の不明確さ、職員の経験の偏り、通信インフラ障害による情報伝達の困難などが挙げられます。事前に役割分担を明確にし、訓練を実施するとともに、ICT環境を整備することが有効です。
災害廃棄物の処理対策
大規模災害の後には、倒壊した建物や家具、土砂など、大量の廃棄物が発生します。可燃・不燃・有害廃棄物、土砂・がれきなど、種類によって処理方法が異なるため、仮置場の確保、分別基準の設定、処理業者との協定、運搬経路の設定といった事前準備項目の整理が必要です。
自治体は災害廃棄物処理計画を策定し、復旧の迅速化と生活環境の保全につなげます。
自治体が直面する災害対策の課題
自治体が直面する災害対策の課題は多岐にわたります。
これらの課題を解決するためには、自治体内外での連携強化や、国からの支援を受けた体制強化が求められます。以下では、自治体が抱える代表的な課題を見ていきましょう。
情報アクセスの不均衡
高齢者や障がいのある方、日本語を母語としない住民は、災害情報の入手そのものや、避難指示の意味の理解に困難を抱えることがあります。
このため自治体は、視覚的なサインや多言語対応の情報提供、音声によるアナウンスなど、多様な手段を用いて情報を伝達する必要があります。また、地域のコミュニティと連携し、住民が必要な情報を確実に受け取れる体制を整えることが重要です。
災害対応を担う人員の不足
災害時、職員は通常業務と並行して災害対応にあたるうえ、職員自身や家族が被災して登庁できない場合もあります。限られた人数で対応できるよう、職員向けの災害時マニュアルを整備し、特定の職員しか担えない業務をなくしておくことが重要です。この課題は、後述するWebサイトの更新体制にも直結します。
予算と資源配分の制約
耐震補強や堤防、排水設備の改修、定期的な訓練の実施、防災システムの導入などは、自治体にとって重要な災害対策の一環ですが、これらには相応の費用が伴います。そのため、各自治体は緊急性の高い施策を優先し、限られた予算を効率的に配分することが求められます。
さらに、地域住民との連携を深め、災害発生時の対応力を高めるためのコミュニケーション戦略も不可欠です。
デジタル化推進の障壁
AIやIoTを活用した防災システムは、自治体の災害対策において重要な役割を果たしますが、それを効果的に運用するためには、適切な人材の育成が不可欠です。
大規模なシステムを一度に導入するのではなく、特定の課題に絞ったスモールスタートが現実的です。職員が段階的に技術に慣れることができ、限られたリソースを有効活用しながら持続可能な防災体制を構築できます。
情報発信を行うWebサイトの可用性
Webサイトの可用性とは、アクセスが集中したり、庁舎や職員が被災したりした場合でも、必要な情報を継続して提供できる状態を指します。情報を発信する手順を決めるだけでなく、情報を掲載するWebサイトが災害時に正常に動作するかについても、平時から確認しておくことが必要です。
公式サイトが閲覧できなくなると、次の連鎖が起こります。
- 住民が避難所や被害状況を確認できず、避難行動が遅れる
- 確認できない住民からの電話が役場に集中し、災害対応にあたる職員の手を奪う
- 公式情報が参照できない空白に、出所不明の情報やSNS上の推測が流れ込む
実際に、令和元年台風19号通過前後では、都や区市町村のホームページにアクセスが集中し、閲覧不能になる事態も発生しました。これを受け東京都は、アクセス集中対応のためのガイドラインを令和2年2月に公表しています。
参照
- 東京都デジタルサービス局「東京都・アクセス集中対応のためのガイドラインに関する紹介記事について」
災害時に自治体サイトが直面する3つのリスク
災害時、自治体サイトは住民にとって重要な情報源となりますが、いくつかのリスクに直面します。いずれも住民の安全な避難行動に直結する問題です。
以下では、災害時に自治体サイトが直面する3つのリスクを見ていきましょう。
リスク1:アクセス集中による表示遅延・停止
災害時のアクセスは、被災地域の住民だけに限りません。県外に住む家族・親族に加え、報道機関、支援団体、他自治体からのアクセスが同時に発生します。さらに、報道各社やポータルサイトが公式サイトへリンクを張ることで、流入は一段と増加します。
自治体のWebサイトは、自治体情報セキュリティクラウドやクラウドサービスなど、さまざまな基盤上で運用されているものです。構成によっては複数の自治体で基盤を共有しているため、アクセス集中への対策を自庁だけで完結できない場合があります。
リスク2:庁舎被災・職員不在で更新できない
更新作業が庁内ネットワークからしか行えない構成の場合、庁舎が被災したり、職員が登庁できなくなったりすると、その時点で情報発信は止まります。職員自身が被災者になる可能性も織り込んでおくことが必要です。
また、平常時の承認フローをそのまま運用していると、決裁者が不在の間に更新できない情報が滞留します。緊急時に、誰が・どの端末から・どの手順で更新できるのかを事前に決めておかなければ、サーバーが正常に動いていても情報は更新されません。
リスク3:平常時のレイアウトのままで必要な情報に到達できない
平常時のトップページには、ごみ収集、各種申請、イベント案内、入札情報などが並列に配置されているのではないでしょうか。このまま災害を迎えると、避難所の開設状況が他の情報に埋もれてしまいます。
緊急時に住民が必要とする情報は限られています。「どこへ逃げるか」「いま何が起きているか」「ライフラインの状況はどうか」、この3点に最短で到達できる画面を、平常時とは別に用意しておくことが必要です。
情報発信を止めないためのWebサイト運用対策
災害時における情報発信の継続性は、自治体の信頼性と住民の安全に直結します。そのために講じるべき対策は多岐にわたります。
以下では、情報発信を止めないためのWebサイト運用対策を見ていきましょう。
アクセス集中の事前対策を行う
アクセス集中への事前対策は、自治体が災害時に情報提供をスムーズに行うために不可欠です。対策は大きく2つに分類され、一つはアクセス負荷を分散すること、もう一つはアクセス負荷そのものを軽減することです。
分散の手段としては、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の利用が代表的で、これにより異なるサーバーでアクセスを分散できます。一方、負荷軽減にはコンテンツの軽量化が有効で、これにより迅速な情報伝達が可能となります。
CDNによる負荷分散を実施する
CDNは、利用者に近いエッジサーバーからキャッシュしたコンテンツを配信することで、オリジンサーバーへの負荷を軽減する仕組みです。自治体のWebシステムに導入する場合は、利用者とセキュリティクラウドの間に配置します。
導入時に重要な設定がTTL(キャッシュの有効期限)です。TTLを長くすると配信元の負荷は下がりますが、更新の反映が遅れます。避難情報のように即時性が求められるページは、更新がすぐ住民に届く設定や運用にしておくことが重要です。
非常時用コンテンツを平時から公開する
緊急時用のページは発災後に作るのではなく、平時から軽量な状態で用意しておきます。
重要なのは、非公開で準備するのではなく、平時から公開しておくことです。公開しておけば住民にブックマークされ、検索エンジンの検索結果にも表示されるようになります。結果として、災害時にトップページへ集中するアクセスが分散されます。切り替え作業を待たずに住民が直接到達できる導線を用意しておく発想です。
コンテンツを軽量化する
非常時用のページは、テキストを主体とした軽量な構成にします。具体的には、掲載する画像の点数と容量を絞る、随時更新される避難所情報はPDFやWordではなくテキスト形式で提供するといった工夫が有効です。
ページのデータ量が大きいほど通信環境によっては読み込みに時間がかかるため、不要な画像やスクリプトを削減し、特に緊急時用ページは軽量な構成にしておくことが重要です。
避難所一覧をPDFで提供している自治体は少なくありませんが、PDFは、作成方法によってはスクリーンリーダーで情報を取得しにくかったり、ファイルサイズが大きくなったりする場合があります。モバイル閲覧のしやすさなども考慮し、更新頻度が高く、確実に届けたい情報ほどHTMLで提供する価値があります。
緊急時レイアウトへの切替を用意する
軽量な非常時用ページを準備していても、切り替えの判断や作業に時間がかかると情報発信が遅延しかねません。災害対応に追われる中で、担当部署が切り替えに出遅れる可能性もあります。下記に挙げる対策で、切り替えの円滑化を目指しましょう。
- 緊急時用テンプレートを常備し、切り替え手順を文書化する
- 切り替え権限を持つ職員を複数配置する(1人体制にしない)
- 切り替えの判断基準を明文化する(どの警戒レベルで切り替えるか)
- 切り替え後に掲載する情報の優先順位を決めておく
優先順位の目安は、避難指示・警戒レベル、避難所の開設状況、被害状況、ライフライン(電気・水道・ガス・通信)、給水・物資の配布、罹災証明などの手続きの順が考えられます。地域で想定される災害の種類に応じて調整しておきましょう。
更新体制を冗長化する
庁舎が使えず、職員が登庁できない前提で体制を組みましょう。
- 庁外の回線やモバイル端末から更新できるか
- 緊急時に、承認フローを簡略化する運用ルールが定められているか
- 委託事業者による代行更新の取り決めがあるか。連絡手段は平時と別に確保されているか
- 配信元サーバーが被災した場合に備え、クラウド基盤上のミラーサイトなど代替経路を用意できるか
総務省の資料でも、クラウド基盤上にミラーサイトを設ける方式が、庁内システム基盤を直接増強せずにアクセス集中へ対応する手段として整理されています。
参照
- 総務省「防災・減災等に資するICTサービス事例集」
やさしい日本語・多言語・アクセシビリティを意識する
災害時こそ、情報の受け手の幅は最も広がります。外国人や子ども、高齢者など、多くの人にとってわかりやすいように配慮したやさしい日本語、多言語、年齢や障がいの有無などに関係なく理解できるアクセシビリティを意識しましょう。情報取得に困難を抱える住民にも情報が届くよう、複数の伝達手段を確保することが重要です。
それぞれの対応で押さえておきたいポイントは以下の通りです。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| やさしい日本語 | 避難情報のように行動を促す情報と相性が良い。発災後に急いで作ると表現が不正確になりやすいため、避難所や避難行動の基本ページは平時のうちに用意しておくのが現実的。 |
| 多言語対応 | 機械翻訳だけに依存すると、避難指示のような重要な情報で意味が変わってしまう危険がある。少なくとも避難関連の中核ページは、事前に翻訳を確定させておくことが望ましい。 |
| アクセシビリティ | JIS X 8341-3への対応を推進する。画像のみで情報を伝えない、見出し構造を正しく組む、文字と背景のコントラストを確保するといった基本を押さえ、スクリーンリーダー利用者やキーボード操作を必要とする利用者にも情報が届くようにする。 |
自治体が災害対策のために平時からできる訓練内容
自治体のなかには、防災訓練の中でWebサイト切り替えまで実施している事例もあります。しかし、訓練していない手順が発災時に機能する保証はありません。避難所の開設訓練と同様に、Webサイトの切り替えも訓練項目に加える価値があります。
下表に、訓練内容の一例をまとめました。実施頻度は、自治体の体制・システム構成・リスクに応じて設定しましょう。
| 訓練・確認項目 | 実施内容 |
|---|---|
| Webサイト切替訓練 | 災害時モード・緊急時ページへの切り替え操作を確認 |
| 情報更新訓練 | 想定した災害情報をWebサイトへ登録・公開する |
| 庁外更新訓練 | 庁舎外からCMS等へアクセスし、更新できるか確認 |
| 連絡体制訓練 | 防災・広報・情報政策担当、委託事業者等の連絡・役割分担を確認 |
| コンテンツ点検 | 緊急時ページ、避難所情報、連絡先等の内容を確認 |
| 負荷対策の検証 | CDNやキャッシュ等の設定、アクセス集中時の対応方法を確認 |
参照
- 大阪府箕面市「(報道資料)1月17日に全市一斉総合防災訓練を実施します!~市内全域での安否確認訓練や各避難所で独自の防災訓練を行います~」, 東京都台東区「台東区公式HPの大規模災害時用トップページへの切替訓練を行います」
- 大阪府箕面市「(報道資料)1月17日に全市一斉総合防災訓練を実施します!~市内全域での安否確認訓練や各避難所で独自の防災訓練を行います~」, 東京都台東区「台東区公式HPの大規模災害時用トップページへの切替訓練を行います」
Webサイトの災害対策に取り組む自治体の事例
ここでは、災害時の情報発信を支えるWebサイト運用に取り組む事例を紹介します。
東京都東村山市:切替条件の明文化と総合防災訓練での発信訓練
東村山市は、地震や風水害などの災害が発生し、かつ市が災害対策本部を設置した場合に、トップページを災害情報に特化したページへ切り替えると定めています。
令和7年9月の総合防災訓練では、トップページを災害時モードに切り替えて被害を想定した情報を発信しました。あわせて市の公式Xでも、冒頭に訓練であることを明記したうえで想定情報を投稿しています。
参照
長野県中野市:大規模災害時モードへの切替
中野市は、大規模災害時のアクセス集中による回線の負荷を減らし、重要な情報を確実に伝えるため、トップページを簡易表示にする大規模災害時モードを用意しています。
参照
自治体の災害情報を検索・参照しやすくするためのWebサイト設計
検索エンジンとAI技術の進化により、自治体の災害対策情報が迅速かつ的確に住民に届けられることが求められています。しかし、情報を発信しているだけでは、必要な人に必要なタイミングで届くとは限りません。
検索エンジンや生成AIから見つけてもらいやすい形で情報を整えておくことも、情報発信を止めないための重要な取り組みです。以下では、具体的なポイントを見ていきましょう。
住民の情報収集における行動をイメージする
住民が公式サイトにたどり着く経路は、トップページからの回遊だけではありません。「〇〇市 避難所」と検索したり、生成AIなどの検索・情報取得サービスを利用したりするなど、住民の情報収集手段は多様化しています。公式サイトが適切に検索対象になっていなければ、住民は別の情報源へ流れてしまいます。
前述のとおり、非常時用ページを平時から公開しておくことは、検索結果に表示されやすくなるという点でも意味のある施策です。
公式情報が参照される条件をクリアする
災害対策において自治体が提供する情報は、検索エンジンや情報取得サービスが内容を理解しやすくするために、HTMLのテキストとして構造的に記述されることが重要です。
具体的には、避難所名、所在地、開設状況を画像やPDFではなくテキストで表示し、見出し構造を正しく整え、情報の関連性を明確にします。また、情報の更新日時を明示し、利用者が情報の新しさを判断できるようにすることも重要です。
意図せず情報を遮断していないか確かめる
公開しているつもりの情報が、技術的な設定の影響で外部から参照できなくなっている場合があります。
- 重要ページのクロールを誤ってブロックしていないか
- 過去の改修時に設定したnoindexが残っていないか
- WAFの設定で正規の検索エンジンのクローラーまで遮断していないか
これらは日常の閲覧では気づきにくいため、定期的な確認項目として運用に組み込んでおく必要があります。
まとめ:自治体サイトの災害対策で持続可能な体制づくりを
自治体の災害対策は多岐にわたり、その中でも情報発信は、住民の避難行動に直結する中核的な役割を担っています。しかし、発信手順が整っていても、それを支えるWebサイトが災害時に機能しなければ情報は届きません。
自庁サイトが災害時にどう動くのかを確認することが、情報発信を止めないための第一歩といえます。
私たちEWMグループは、自治体・行政・官公庁向けのWebサイト制作からCMS導入、サーバ保守、セキュリティ対策までを一気通貫でご支援している企業です。また、多言語ポータルサイト構築をはじめ、公的機関のWebサイト運用に関する豊富な実績があります。
「アクセス集中に耐えられるか不安がある」「緊急時レイアウトへの切り替えを整備したい」「やさしい日本語・多言語対応を進めたい」など、自庁サイトの可用性に関するご相談は、ぜひEWMグループにお任せください。