観光マーケティングとは
観光マーケティングとは、市場分析にもとづいて設定したターゲットに地域や施設の魅力を届け、来訪・消費・再訪につなげるための戦略的な取り組みです。
一般的なビジネスのマーケティングと同様に、市場調査・ターゲット設定・プロモーション・ブランディング・効果検証を体系的に行いますが、観光特有の「地域性」「非日常性」「体験価値」を軸に設計される点が大きな特徴です。
また、初めて訪れる旅行者だけでなく、リピーターや地域に継続的に関わる関係人口も対象に含まれます。
観光マーケティングの担い手は幅広く、地方自治体や観光協会が主導するデスティネーションマーケティングだけでなく、ホテル・旅館・飲食店・テーマパーク・交通機関など民間事業者が行う活動も含まれます。
デジタル化の進展により、SNS、口コミサイト、検索エンジンが旅行者の意思決定に大きな影響を与えるようになり、従来の紙媒体やテレビCMに加えてデジタルチャネルの活用が不可欠となっています。
観光プロモーション・DMOとの違い
観光プロモーションは、ポスターや広告、SNS投稿などで地域の魅力を伝える情報発信の活動です。観光マーケティングはその前後を含むより広い概念で、誰に届けるかを決める市場分析や、成果を測る効果検証までを対象とします。
DMO(観光地域づくり法人)は、観光マーケティングを地域一体で推進する担い手の組織です。自治体・観光事業者・交通事業者・地域住民など多様な関係者をつなぎ、データの収集・分析、戦略策定、KPI設定を担います。
観光マーケティングが重要な理由
観光マーケティングへの投資が重要視される理由は以下の通りです。
地域経済への波及効果
観光消費は宿泊・飲食・交通・土産品・体験サービスなど幅広い業種に波及します。
観光庁の調査によれば、2025年の日本人国内旅行消費額は26兆7,845億円(前年比+6.5%)に達しており、コロナ禍で落ち込んだ2020年・2021年から着実に回復・拡大が続いています。
これに訪日外国人旅行消費額約9.5兆円と、日本人海外旅行の国内分約1.4兆円を加えると、2025年の日本国内における旅行消費額は合計37.6兆円に上ります。
観光マーケティングで効果的に集客できれば、こうした消費の恩恵を地域に呼び込み、税収増や雇用創出につなげられます。
出典:観光庁「旅行・観光消費動向調査 2025年 年間値(確報)」
インバウンド誘致の戦略的重要性
訪日外国人旅行者の消費規模は急拡大しており、2025年の訪日外国人旅行消費額は約9.5兆円(2024年比16.4%増)と暦年として過去最高を更新しました。
また、訪日外国人(一般客)1人当たり旅行支出は22万9,000円に上り、同年の日本人国内旅行の旅行単価(48,424円)と比較すると約4.7倍の水準です。
一方、2026年上半期の訪日客数は前年同期をわずかに下回り、中国市場の低迷が影響したとされています。特定市場への依存は外部環境の変化に弱いため、ターゲット国・地域を分散させ、それぞれにローカライズした戦略を設計することが求められます。
参照
競争激化時代における差別化の必要性
観光庁の観光地域マーケティングガイドブックでは、「日本国内のみならず世界各国との誘客競争が激化する中、ターゲットに対して的確な施策を打ち出していくマーケティングの考え方が不可欠」と指摘しています。
また、コロナ後は「高度な観光地経営を基本とした、戦略・マーケティング施策の巧拙が問われる時代」になったと整理しており、ターゲットを明確にしたうえで客観的なデータに基づいて施策を設計することが、今後の観光誘致の成否を左右するとしています。
参照
ポストコロナ時代の観光動向
新型コロナウイルスのパンデミックは観光業に甚大な打撃を与えましたが、回復の過程で旅行者の価値観や旅行スタイルは大きく多様化しました。
観光庁のガイドブックでは、コロナ前は「旅行者のニーズが比較的同質的・均質的」だったのに対し、コロナ禍を経て「感染リスクを避けるための旅行先の分散化」や「滞在型観光・おひとり様旅など新たな観光スタイル」が生まれたと整理しています。
そのうえで、コロナ後は「爆発的に解放された多様なニーズに対応できる地域が持続的に発展する」と述べており、旅行者ニーズを捉えて適切な施策を打ち出す観光マーケティングの手法が不可欠だとしています。
参照
オーバーツーリズム・担い手不足への対応
観光客が特定の地域・時期・時間帯に集中すると、混雑や生活環境への影響が生じ、満足度も低下します。観光マーケティングは来訪者を増やすだけでなく、来てほしい時期やエリアに需要を分散させる手段としても有効です。
また、担い手不足が進む中では、来訪者数よりも滞在日数や一人当たり消費額を高める高付加価値化と、予約・案内業務を効率化する観光DXが重要になります。限られた人員で成果を出すためにも、データに基づいて施策を絞り込むことが欠かせません。
観光マーケティング戦略の立て方5ステップ
観光マーケティングは、目標設定・現状分析・STP・施策設計・効果検証の5つのステップで進めると、施策の抜け漏れや場当たり的な投資を防げます。
① KGI・KPIを設定する
最初に、最終的に達成したい成果を示すKGI(重要目標達成指標)と、その進捗を測る中間指標のKPI(重要業績評価指標)を決めます。たとえば観光消費額や延べ宿泊者数をKGIとし、Webサイトの訪問数、検索順位、Googleビジネスプロフィールの閲覧数、予約件数などをKPIに置きます。
観光庁に登録されたDMOには、KGIとして旅行消費額を、KPIとして1人当たり旅行消費額・延べ宿泊者数・来訪者満足度を必須で設定することが求められています。市町村単位の地域DMOには、これらに加えて住民満足度も必須とされています。来訪者だけでなく住民の受け止めも指標に含めている点は、オーバーツーリズムへの対応を意識した設計といえます。自治体や観光協会が指標を選ぶ際の出発点としても参考になります。
出典:観光庁「観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドライン(令和8年7月24日一部改正)」
② 現状を分析する
観光統計や人流データで来訪者の属性・発地・滞在傾向を把握し、競合地域の動向も確認します。そのうえで、政治・経済・社会・技術の外部環境を整理するPEST分析や、地域の強み・弱み・機会・脅威を整理するSWOT分析で、狙うべき市場と活かすべき観光資源を見極めます。使えるデータは後述の観光マーケティングに活用できるデータで紹介します。
③ STPでターゲットとポジションを決める
効果的な観光マーケティングの出発点は、誰に来てほしいか、つまりターゲットを明確にすることです。年齢・性別・居住地・ライフスタイルだけでなく、旅行の目的(自然、食、歴史、アートなど)や旅行形態(個人、カップル、ファミリー、シニア)などの軸でペルソナを設定します。国内旅行者とインバウンド旅行者では情報収集チャネルや価値観が大きく異なるため、セグメントごとに異なるアプローチを設計します。
このセグメンテーション(S)→ターゲティング(T)→ポジショニング(P)の思考プロセスが、競争激化時代の観光マーケティング戦略の根幹です。市場を細分化した上で自地域の観光資源が最も刺さるセグメントを特定し、この地域でしか得られない体験を軸にした明確なポジショニングを確立することが、持続的な誘客につながります。
④ 7Pで施策を設計する
観光のようなサービス業では、従来の4Pにサービス特有の3要素を加えた7Pで施策を整理すると、担当部署や事業者ごとの役割が明確になります。
| 要素 | 内容 | 観光での例 |
|---|---|---|
| Product | 商品・体験 | 着地型観光商品、農泊、体験プログラム |
| Price | 価格 | 宿泊料金、周遊パス、シーズン別料金 |
| Place | 販売チャネル | OTA、公式サイト、旅行会社 |
| Promotion | 情報発信 | SEO、SNS、Web広告、メディアファム |
| People | 人材 | 接客品質、多言語対応、観光ガイド |
| Process | 提供プロセス | 予約・決済・案内の流れ |
| Physical Evidence | 物的証拠 | 施設・景観、案内表示、口コミ・写真 |
⑤ 効果検証とPDCAを回す
施策は実施して終わりではなく、①で設定したKPIを定期的に測定し、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)を繰り返します。どの施策が来訪や消費につながったかを検証できれば、次年度の予算配分や関係者への説明の根拠にもなります。
旅マエ・旅ナカ・旅アト別の観光マーケティング施策
ターゲットを明確化した後、そのターゲットにどのタイミングで、どのように、どんなメッセージで届けるかを設計する手法が、カスタマージャーニーです。
観光庁のガイドブックでは、旅行者の行動を旅マエ(旅先・旅程の検討、予約・購入、出発準備)→旅ナカ(移動、現地到着、観光・飲食・体験)→旅アト(帰宅後の感想シェア、次の旅の検討)という流れで視覚化し、各ステージで取得すべきデータを把握することを推奨しています。
出典:観光庁「観光地域づくり法人(DMO)による観光地域マーケティングガイドブック」
| フェーズ | 旅行者の行動 | 主な施策 |
|---|---|---|
| 旅マエ | 旅先を検討し、予約する | SEO、Web広告、SNS、Googleビジネスプロフィール、多言語サイト、OTA連携 |
| 旅ナカ | 現地で観光・飲食・体験する | デジタルサイネージ、多言語音声ガイド、クーポン・スタンプラリー、イベント |
| 旅アト | 感想を共有し、次の旅を検討する | 口コミ依頼、UGC活用、メール・LINE配信、再訪クーポン |
旅行者の行動がスマートフォンを前提とするものに変化したことで、各フェーズの行動をデータで追えるようになりました。デジタルとオフライン双方の施策を組み合わせ、旅マエから旅アトまで全体をカバーすることが、集客力の向上につながります。
旅マエ:認知獲得と来訪意欲を高める施策
旅マエは、旅行者が行き先を比較・検討する段階です。この段階で候補に入らなければ、旅ナカ・旅アトの施策も生かせません。検索やSNSでの露出に加え、旅行会社やメディアとの連携で認知の接点を増やすことが重要です。
Web広告・ローカルSEO(地域検索最適化)
Googleなどの検索エンジンで「〇〇 観光」「〇〇 温泉」「〇〇 体験」といったキーワードで上位表示されることは、旅マエの「旅先検討」ステージにおける認知獲得と直接予約につながる重要な手段です。
ローカルSEOでは、Googleビジネスプロフィールの整備・写真更新・口コミ対応が基本となります。検索連動型広告(リスティング広告)やディスプレイ広告、SNS広告(Instagram・Facebook・TikTok)を組み合わせることで、旅行検討層への的確なリーチが可能になります。
また、近年はAI検索や生成AIで旅先を調べる旅行者も増えています。公式サイトにアクセス、料金、所要時間、モデルコースなどの一次情報を正確に掲載しておくことが、AIの回答に引用される前提になります。
パートナーシップ構築
旅行会社・OTA(オンライン旅行代理店)・航空会社・メディアとの連携は、販路拡大と認知拡大に直結します。インフルエンサーや旅行ライターを招くメディアファム(取材旅行)も、旅行者目線の情報を発信してもらえる効果的な施策の一つです。
旅ナカ:満足度向上と消費拡大につなげる施策
旅ナカは、旅行者が現地で移動・観光・飲食・体験をする段階です。ここでの体験の質が満足度を左右し、口コミや再訪といった旅アトの成果にも直結します。現地での不便を減らす受入環境の整備に加え、滞在を延ばし消費を促す仕掛けを用意することが重要です。
観光DXとオンラインツール
オンライン予約システムの導入、多言語対応ウェブサイト、観光案内デジタルサイネージなど、観光DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが観光地の競争力を高めています。
その他、スマートフォンアプリを通じたクーポン配布・スタンプラリー・多言語音声ガイドなども、旅ナカの旅行者の利便性向上と滞在中の消費促進に貢献します。
イベント企画・開催
地域の祭り・スポーツイベント・音楽フェスティバル・マルシェなどのイベントは、定期的な集客機会を創出し、メディア露出や口コミ発生のトリガーになります。
単発の賑わい創出にとどまらず、地域ブランドの浸透や観光消費の拡大を意識した設計が求められます。
近年は「コンテンツツーリズム」(アニメ・ゲーム・映画の舞台地巡礼)を活用したイベントや、スポーツ観戦と周辺観光を連携させた「スポーツツーリズム」も注目を集めています。
着地型観光商品の開発
地域内の宿泊施設・飲食店・体験事業者が連携し、現地発着の体験や周遊プランを商品化するのが着地型観光商品です。旅行者の滞在時間を延ばし、一人当たりの消費額を高められるだけでなく、地域の事業者に収益を分配できる点も利点です。農泊や伝統工芸の体験など、その地域でしかできない体験を軸に設計すると差別化につながります。
旅アト:リピーター化とファンづくりの施策
旅アトは、帰宅した旅行者が思い出を振り返り、感想を共有したり次の旅を考えたりする段階です。この段階での発信は次の旅行者の旅マエに影響し、本人との関係が続けば再訪にもつながります。口コミやSNSでの共有を後押しするとともに、来訪者と継続的につながる接点を持つことが重要です。
口コミ収集とSNS活用
Googleマップや旅行予約サイトの口コミは、次の旅行者の意思決定に大きな影響を与えます。好意的な口コミを増やすには滞在体験の質を高めることが根本ですが、口コミへの丁寧な返信、フォローアップメールの送付、SNS投稿を促す体験設計も有効です。
InstagramやTikTokで話題になるフォトジェニックスポットやグルメは、強力な集客ドライバーとなっています。UGC(ユーザー生成コンテンツ)を公式アカウントでリポストするなど、旅行者自身を情報発信者として巻き込む設計が重要です。
再訪を促す関係づくり
メールマガジンやLINE公式アカウントで季節のイベント情報を届けたり、再訪時に使えるクーポンを配信したりすることで、来訪者との関係を継続できます。旅アトの満足度調査は、DMOの必須KPIでもある来訪者満足度や、再訪状況を示すリピーター率の測定にも直結します。
観光マーケティングに活用できるデータ
観光マーケティングでは、公的統計で全体像をつかみ、民間データで地域内の行動や消費を掘り下げるのが基本です。
| データの種類 | わかること | 主な入手先 |
|---|---|---|
| 観光統計 | 宿泊者数、旅行消費額、訪日客の国・地域別動向 | 観光庁(宿泊旅行統計調査、旅行・観光消費動向調査、インバウンド消費動向調査)、JNTO |
| 地域経済・観光の可視化データ | 地域別の来訪者や産業構造 | 地域経済分析システム(RESAS)、都道府県の観光入込客統計 |
| 人流データ | 来訪者の発地、滞在時間、周遊ルート、混雑状況 | 携帯キャリアや位置情報データの提供事業者 |
| 消費データ | どこで、何に、いくら使ったか | キャッシュレス決済データ、POSデータ、デジタルクーポンの利用ログ |
| Web・デジタルデータ | 検索ワード、サイトの閲覧状況、広告の反応 | Googleサーチコンソール、アクセス解析、広告管理画面、Googleビジネスプロフィール |
| 口コミ・アンケート | 満足度、不満点、再訪意向 | 口コミサイト、来訪者満足度調査 |
単一のデータでは、来訪者は増えたが消費は伸びていないといったギャップに気づけません。後述の福井県の事例のように、複数のデータを重ね合わせてカスタマージャーニー上で読み解くことで、施策の精度を継続的に高められます。
自治体の観光マーケティング成功事例3選
以下では、都道府県が主導した観光マーケティングの実践事例をご紹介します。それぞれのアプローチと成果のポイントを参考に、自地域・自施設への応用をご検討ください。
岐阜県:統一ブランドとデジタル施策で、外国人宿泊者数が初の200万人突破
岐阜県観光誘客推進課(県庁)は、2009年の飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトを起点に、観光・食・モノを三位一体で海外プロモーションする戦略を官民連携で推進してきました。
岐阜県は「GIFU, Timeless Japan, Naturally an Adventure」という統一ブランドを掲げ、長い時を超えて受け継がれてきた本物の日本を体験できる地域として発信しています。多言語ウェブサイト「VISIT GIFU」の運用、SEO対策、外国人目線のPR動画、SNSによる情報発信などのデジタルマーケティングを、県庁が毎年度プロポーザルで外部パートナーを選定しながら継続的に実施しています。近年は特に欧米豪の高付加価値旅行者をターゲットに据え、着地型の体験コンテンツの造成と発信に力を入れています。
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2025年の岐阜県の外国人延べ宿泊者数(確定値)は200万4,510人で、前年比3.9%増となりました。確定値ベースで過去最高を更新し、初めて200万人を突破しています。
参照
福井県:100年に1度の好機に備えた県主導の観光データオープン化戦略
福井県は2024年3月の北陸新幹線県内延伸(芦原温泉・福井・越前たけふ・敦賀の4駅開業)を、観光にとって100年に1度の好機と位置づけました。県の観光施策指針であるネクストふくい観光ビジョンでは、2029年の目標として観光客入込数2,100万人、観光消費額1,700億円を掲げています。
施策の核となったのが、県内事業者を巻き込んだ観光データのオープン化です。福井県DMOと地元5企業・団体による福井県観光DX推進マーケティングデータコンソーシアムを結成し、観光庁の実証事業採択のもと、人流・宿泊・決済・POS・Googleビジネスプロフィール・アンケートなどのデータを収集しました。集めたデータは福井県観光データ分析システム「FTAS」でオープンデータとして公開され、事業者が商品造成や販売促進に活用できるようになっています。さらに2024年度は、富山・石川と連携した北陸インバウンド観光DX推進事業が観光庁のモデル事業に採択され、北陸3県での広域データ連携へと発展しています。
開業初年の2024年は、観光客入込数が2,069万人、観光消費額が1,513億円でいずれも過去最高となり、関東圏からの入込数は前年比41.8%増と大幅に伸びました。続く2025年は、観光客入込数が前年比3.6%増の2,144万3千人、観光消費額が同31.3%増の1,987億円となり、2年連続で過去最高を更新しました。2029年の目標を前倒しで達成しています。
参照
- 福井新聞「福井県内の観光客2069万人、過去最高 2024年 北陸新幹線開業効果、関東圏大幅伸び 消費額も最高」
- 福井新聞「福井県内の観光客数が過去最高…9割近くが日帰り客 2025年、観光消費額も最高」
- 観光庁「福井県観光DX推進マーケティングデータコンソーシアム 観光実態把握とマーケティングモデルケース造成事業」
- トラベルボイス「福井県観光連盟が推進する「観光データのオープン化」、現状を誰でも見えるカタチに、その取り組みを責任者に聞いてきた」
佐賀県:フィルムコミッションを活用したターゲット国別ロケツーリズム戦略
佐賀県フィルムコミッション(2005年に県庁内に設立)は設立以来、映像を起点にした認知度向上・観光振興に取り組んできました。2013年のタイ向けビザ免除を機にタイの映画誘致を始め、観光客数を増やした成功体験をもとに、マレーシア市場へも展開しました。
2023年に県内で撮影したマレーシアドラマ「From Saga, With Love」が本国で大ヒットし、2024年の佐賀県のマレーシア人宿泊者数は1,880人と、前年から約2倍に増えました。
その後も2024年に続編を県内で撮影し、2025年10月にはシーズン2のYouTube配信を開始するなど、一過性で終わらせない展開を続けています。日本語・英語・マレー語に対応したデジタルロケ地マップも更新し、ロケ地周遊を促しています。
特定ターゲット国へのコンテンツ誘致→認知拡大→訪問者増というサイクルを長期・計画的に設計した点が、地方自治体のインバウンド施策モデルとして全国から注目されています。
参照
- 佐賀県「今年20周年の佐賀県フィルムコミッションが、第11回JFCアウォードで最優秀賞を受賞!マレーシア人気ドラマのシーズン2配信も決定!」
- 佐賀県「マレーシア人気ドラマのシーズン2をYouTube配信開始!デジタルロケ地マップも更新!」
- トラベルボイス「国内のロケ誘致活動の表彰、最優秀賞に佐賀フィルムコミッション、マレーシア作品の誘致で、宿泊客が倍増」
観光マーケティングの実行パートナーをお探しの方へ――EWMグループのご紹介
戦略を描いても、実行フェーズに壁を感じる場合も少なくありません。「観光サイトをリニューアルしたいが、何から手をつければよいか分からない」「デジタルマーケティングの施策を外部と一緒に進めたい」
そうした課題をお持ちの場合は、ぜひEWMにご相談ください。
EWMグループは、東京と佐賀に拠点を構えるデジタル・クリエイティブ会社です。創業20年、官公庁・自治体のウェブサイト制作を強みとするWebインテグレーション事業を核に、地域課題の解決に向けたソーシャルデザイン事業も展開しています。
「デジタルとクリエイティブで都市と地方の新しい循環を作り出す」をミッションに掲げ、地方拠点(佐賀)から首都圏の大規模プロジェクトを推進するニアショアスタイルで、地方の雇用を生みながら質の高いアウトプットを実現してきました。
観光マーケティング領域でEWMグループが提供できる主な支援は以下のとおりです。
- Webサイト制作・リニューアル:観光協会・DMO・自治体観光部門向けに、コンテンツ企画からデザイン・CMS導入・サーバ保守・セキュリティ対策まで一気通貫で対応。多言語対応サイトや予約機能の実装にも豊富な実績があります。
- Webマーケティング・広告運用代行:SEO・リスティング広告・SNS広告の設計・運用を、Web制作チームと一体で提供。Paid MediaとOwned Mediaを連携させた施策設計が強みです。
- Webコンサルティング:現状サイトの調査・分析をもとに課題と改善策を整理。データに基づいたメディア戦略の立案を支援します。
まとめ
観光マーケティングは、単なる「観光地の宣伝活動」にとどまらず、市場分析・ターゲット設定・施策設計・効果検証を体系的に行う戦略的な営みです。
デジタル化・データ活用の進展により、より精度の高い施策が可能になった一方で、基本的なマーケティングの思考——「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確にすることの重要性は変わりません。
本記事でご紹介した施策・事例を参考に、自地域・自施設の観光マーケティング戦略を見直し、持続的な観光集客の実現にお役立てください。